女子日本代表のブラジル戦
リオオリンピック日本女子バスケットボール。
第2戦のブラジル戦もみました。
その感想を書いてみます。
【1回戦の感想はこちら】
⇒リオオリンピック日本女子バスケットボール1回戦ベラルーシ戦感想
いやぁ、日本のビッグマンのシュートレンジの広さの差で勝利しました。
というか、ブラジルビッグマン(?)に対してのミドルでの守備がかなりフリーで笑いました。
これが結果的には大きくブラジルに効きました。
だって、ブラジルのビッグマン(?)がミドルレンジでボールを持つと、日本の選手はまったくマークしないんですよ。
ブラジル選手も
「え?」
という感じになって、パスをしたりシュートをしたりするのですが、シュートが入らず。
これでブラジルは大きくリズムを崩したと思います。
しょうがないから、ブラジルはとにかくインサイドインサイドで勝負をするのですが、日本はがっつりダブルチームしていました。
さらにブラジルは外のシュートの確率も悪くダメでしたね。
日本チームはビッグマンのミドルレンジシュートが高確率で決まっていました。
渡嘉敷来夢は特にミドルと、中に切れ込んでのバスケットカウントワンスローなど、できすぎな内容でした。
ビッグマンのミドルレンジシュートがないブラジル。
一方の日本は渡嘉敷来夢が高確率でミドルを決め、相手マークが近くでのマークに来たら中に切れ込みバスケットカウントワンスロー。
この差が大きかったと思います。
第2Q高田真希無双 ブラジルは日本の弱みをつこうとしすぎ
第2Qに高田真希が無双して10点リードする日本。
日本にはめずらしく、とにかく高田真希という特定の選手にボールを集めてオフェンスを展開していました。
調子がいい選手をとにかく使うところがあるのだとわかり驚きました。
日本はバランスよくボールをまわして、シュートチャンスがあればシュートに行くチームだと思っていたので。
ブラジルはオフェンスリバウンドをとにかくとり、そこからシュートを決めていたのですが。
シュートまで行かない(リバウンド争いにすらならない)ことが多かったです。
ターンオーバーなのか、なんなのかよくわかりませんけど。
本拠地なのに、ブラジルに厳しい笛だったと思います。
NBAだったら、間違いなくホームコートアドバンテージでスルーされていたシーンは多かったと思います。
オリンピックということで、ブラジルにホームコートアドバンテージがありませんでした。
日本はラッキーでした。
というか、NBAがホームコートアドバンテージがありすぎなんだって!
そして相変わらずの栗原三佳の3Pシュート。
まさにジェームズジョーンズ状態です。
身体能力はそれほど高くなさそうですが、真面目さとキャッチ&シュートが脅威でした。
日本のほうがチームとして完成度が上でした。
ブラジルはとにかく強みをだそうと、オフェンスが偏りがちでした。
でも、日本は逆をつくプレイを中心としていて、バスケットIQの高さを感じられました。
というかブラジルがスクリーンプレイをもっとしないといけないでしょ。
とにかくインサイドインサイドにボールを集めて、日本の低さを攻めようとしているのがダメだったと思います。
基本ができなかったブラジルと効果的なディフェンスをした日本
今のバスケットボールでスクリーンプレイを常にしないことなんておかしいでしょ。
ブラジルは日本の弱みをつこうとしすぎたせいで、基本的なことができていなかったと思います。
もっとポイントガードがスクリーンを呼び込んで、そこからオフェンスを展開すればブラジルも攻め手ガあったと思います。
インサイドのビッグマンにボールを渡そうとするばかりだったブラジル。
そのせいでブラジルは外のシュートに集中できなかったところを感じます。
一方で日本はブラジル選手のミドルレンジでボールを持ったビッグマンに対してのドフリーディフェンスが効きましたね。
あれをされると、ボールを持った選手としては戸惑うのだと思います。
ドフリーだから、シュートをうちたくなると思いますけど。
あの位置からシュートが入る可能性は低いので、悪手となってしまうんですよね。
普通空気を読んで、ボールを持っている選手にはそれなりにマークをしたりするのですが。
日本はもう完全にミドルがないビッグマンへのマークを放棄して、中に1枚待機していましたからね。
あれでは、ビッグマンが中に切れ込む動きをするのも難しいです。
いっぽうでインサイドにボールがわたったビッグマンには執拗にダブルチーム。
ブラジルのオフェンスを完全に封じていました。
ブラジルは身体能力があるのはわかるんですが。
それをうまく生かせなかったように感じました。
チームとしての差を感じました。
日本はまるでNBA2kをプレイしているかのようなプレイ
日本のプレイはまるで、自分がNBA2kのゲームをプレイしているかのようなプレイでした。
すごくバランスがいいというか。
当然のことなんですけど、ショットクロックを使ってフリーのスペースができたらシュートを狙うということをしていました。
常に毎回同じオフェンスを展開するのではなく、いろいろなオフェンスパターンを使い、1つのオフェンスパターンをすれば、次はその裏をかいたオフェンスパターンを展開。
相手が3Pシュートを警戒すれば、中へ切り込む。
逆に中に切れ込みを警戒して、マークの距離ができればミドルレンジシュートを狙う。
1つ1つのプレイが次につながるようなプレイで、それが運よくうまくいった感じです。
1Qは攻め手がみつからないように感じました。
でも2Qに10点差以上つけたところで、オフェンスに余裕ができました。
そういう点で、この試合は2Qに点を量産した高田真希選手がMVPだったと思います。
日本に運があったのは、相手のシュートミスからの速攻は点がとりやすいんですよね。
ブラジルのオフェンスに攻め手をつくらせなかったのが大きかったです。
ブラジルオフェンスミス⇒日本の速攻⇒点を取る
ブラジルのオフェンスミス⇒日本の速攻⇒点を取る
そんな感じで、良い流れがありました。
日本の前からのダブルチームも多く見られたので、ブラジルとしてはイライラしたと思います。
まぁただ、あの日本のディフェンスは
「NBAでの世界ではタブー」
だと思いますけどね。
毎回あんなディフェンスを展開していれば、空気を読んでいないと怒られそうです。
今のNBAもそうですけど、オフェンスはディフェンスから始まっていますから。
ディフェンスで守って、相手の守備が整っていないときに攻めるのが効率がいいです。
特に日本はとにかくパスを回して、それぞれの選手がオフェンスに加わった点。
ブラジルは固定選手で攻めよう攻めようとした点で差が出たと思います。
NBAでほんとうに強いチームは
「絶対的な1人の選手」
がいたりするんですよね。
でも女子バスケットではまだそこまでの選手はいないのだと思います。
ブラジルもインサイドの選手にボールを渡すも、日本もあからさまなダブルチームで抑えていました。
ブラジルはインサイドの選手にボールを渡した後の判断をコーチすべきだったと思います。
「ボールを持っていない選手がどう動くのか?」
「外でのシュートを狙わせるのか?」
おそらく、そこまでの指示はなかったのだと思います。
「インサイドにボールを渡し、日本の低さをつけ」
という指示で終わったところが敗因だったように思いますね。
これで日本はベラルーシ&ブラジルと格上に2戦2勝です。
日本は軽視された分、戦えたように思います。
でも2戦2勝で、もう相手チームは油断してこないと思うので。
ここからが勝負になると思います。